はじめに

わが国は、国際社会の調和ある発展と人道的配慮の基本理念のもとに、欧米先進国との協調・交流を深める一方、世界最大の援助国として、政府開発援助(ODA)を積極的に推進し、開発途上国の経済発展と生活・福祉の向上に貢献しています。

保健・医療分野の国際協力は、政府開発援助(ODA)においても「基礎生活分野」として近年ますますその重要性を増しております。また、国際交流が一層活発になってくる中で、エイズ、SARS、その他の感染症対策など、地球規模の国際協力が一層重要となってきています。

開発途上国における保健・医療の現状は、低い生活水準、劣悪な生活環境、不十分な保健医療サービスとあいまって、多数の人々が栄養失調に悩み、感染症に罹患する乳幼児の死亡率も高く、平均寿命は短いままです。これらの国々における保健・医療水準の向上は、人道的見地からも、また、経済・社会開発を進めていく上でも、国際的な緊急課題となっています。

わが国の医学、医療技術は、戦後、急速な進歩を見せ、短期間に保健医療水準が向上し、現在、世界でも有数の高い水準にあることから、国際技術協力として、その経験や知見を途上国の保健・医療の向上のために積極的に活用してゆくことが期待されています。

本財団は、諸外国の疾病、病態等に関する研究を助成奨励するとともに、あわせて国際医療協力のための技術開発に関する研究、高度先進医療に関する研究、研修等の事業を総合的に計画し、もってわが国の保健・医療分野における国際協力の推進に寄与することを目的とし、平成2年4月に設立されました。

今後とも、国立国際医療センターおよび関係諸機関との密接な連携と協力を得て、保健・医療分野における国際協力を一層推進し、医学研究の振興と平和・協調の世界づくりに貢献してまいりますので、各方面のご支援とご協力を賜りますようお願いします。